メルペイとスクー、リスキリング支援に向け「みんなのリスキリング」開始

社会人向けオンライン学習サービス「Schoo」を提供する株式会社Schoo(スクー)は、株式会社メルペイの「メルカリご利用特典」に賛同し、社会的な注目が高まりつつあるリスキリングを支援する特別特典を共同で提供することを発表、3月15日に記者向け発表会を行った。

今年2月、新ミッションとして「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」を掲げたメルカリグループでは、物価高の中でも自己実現・自己投資を目指す個人をサポートするため、同社のクレジット決済サービス・メルカードの「メルカリご利用特典」として還元するポイントや売上金の活用先に「学びの機会」を提供することとなった。

今回、両社が共同で行う施策は、3月16日(木)〜3月30日(木)までの申し込み期間中、スクーの提供するオンライン学習サービス「Schooプレミアム」の年間プランを「メルカード」で決済すると、8,000本を超える授業が毎月実質425円で受講可能になるというもの。

発表会では、株式会社メルペイ 執行役員 VP of Growth Fintechの永沢岳志氏が同社サービス利用者に行った調査の結果を紹介。物価上昇が続く中で「スキルアップを実践したいけど実践できていない」と回答した人に対してその理由を訊いたところ、約73.6%が「お金に余裕がない」と回答。家計負担が増え、自己投資のための金銭的な余裕をもてない人が一定数存在する一方、メルカリでのフリマ収益を自己投資などのスキルアップに役立てる人もいるという実態を紹介した。

続いて、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ 代表理事でSkyHive Technologies 日本代表の後藤宗明氏(参考記事)が登壇。リスキリングについて、業務の一環として企業が取り組むべきことであるとしながら、その現状について海外の状況なども交え解説した。その中で後藤氏はリカレント教育・リスキリングに取り組む際の課題として「時間」と「お金」の問題を指摘。リスキリングを行うことで収入の向上が見込めるものの、余裕がないとリスキリングが実践できず「リスキリング格差」が生まれてしまうと懸念を示した。そのうえで、格差解消に向けては企業・行政・個人それぞれの取り組みが重要であり、今回のメルカリ・スクーのような企業がリスキリングの機会を提供していくことには意義があると語った。

後藤氏に続いては、株式会社Schoo CCO(Chief Content Officer)の滝川麻衣子氏(参考記事)が登壇しスクーのサービス内容を紹介。同社が変化の早い時代に対応し多様かつ最新の学びを提供するとともに、オンライン学習サービスが地域間の教育・リスキリング環境格差の解消に寄与していると説明した。 

国を挙げてのリスキリングに注目が集まり、さまざなサービス・取り組みも始まる中で個人がリスキリングに取り組むためのハードルを下げる企業の試みとして、今後の進展に注目が集まる。

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発表会後、フォトセッションに対応した株式会社メルペイ 執行役員 VP of Growth Fintechの永沢岳志氏(左)と株式会社Schoo CCOの滝川麻衣子氏