文科省「国際卓越研究大学」公募に東大・京大など10大学が申請

永岡桂子・文部科学相は4月4日の記者会見において、「国際卓越研究大学」の公募に、東京大学、京都大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、筑波大学、東京科学大学(仮称、東京医科歯科大学と東京工業大学による共同申請)、早稲田大学、東京理科大学の10大学が申請したと発表した。

「国際卓越研究大学」制度が創設された背景として、近年、諸外国のトップレベルの研究大学が豊富な資金を背景として研究力を高めているのに対し、日本の大学は研究論文の質・量ともに低調な状況にある。その要因の一つとして、諸外国の大学では公的な財政支援や民間企業等との連携、寄附、資産運用など、多様な財源をもとに研究環境を充実させるとともに世界トップクラスの研究人材を招聘し、そうした環境が更に新たな研究人材や民間企業からの投資、寄附を呼び込むといった知的価値創造の好循環が形成されていることが挙げられる。

日本においても、大学の機能拡張を推進する中で、大学が国際的な切磋琢磨を通じて研究力を向上させるという緊張感を持ち、世界トップクラスの研究者の獲得はもとより、次代を担う自立した若手研究者を育成し、活躍できるようにするための大胆な資源配分、研究時間を十分に確保するための研究者の負担軽減、大学の有する知的資源の価値化等に取り組んでいくことが求められている。

このため、文部科学省では、国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学を「国際卓越研究大学」として認定し、当該大学が作成する国際卓越研究大学研究等体制強化計画に対して、大学ファンドによる助成を実施する。今回の申請を受け、文部科学省では春~秋頃にかけて段階的審査を行い、「国際卓越研究大学」を認定し、2024年度に助成を開始する予定だ。

「国際卓越研究大学」の公募・選定については、下記を参照。
https://www.mext.go.jp/content/20230404-mxt_gakkikan_000026225-1.pdf

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