TOYO、出社したくなるオフィス[ABW本格導入]
東洋エンジニアリング(取締役社長 細井 栄治、以下 TOYO)は、30年以上拠点を置いた習志野市から千葉市幕張新都心への本社移転を完了し、2024年12月より新オフィスでの業務を開始した。
今回の移転の大きなポイントは、エンジニアリング業務に求められる柔軟なチーム編成と高度な専門性を支える環境づくりである。多彩な人材がそれぞれのポテンシャルを最大限に発揮できるよう、従来の固定席を廃止し、フリーアドレスの導入や服装規定の自由化を含む“ABW”の考え方が採用された。TOYOはこれを「社員の機動力・結束力・プロフェッショナリティをさらに高める仕組み」と位置づけ、単なるオフィス移転ではなく、社員自ら新しい働き方の進化を目指す。
■ 新たな働き方ABWとは?
ABW(Activity Based Working)とは、業務内容(アクティビティ)に合わせて働く場所や時間を自由に選ぶ働き方を指す。オランダ企業のヴェルデホーエン社が発祥とされ、近年は多くの企業が社員の生産性向上や柔軟な働き方を実現する手法として採用されている。具体的には、自宅やカフェ、コワーキングスペースなど社外の場所だけでなく、オフィス内でも集中ブースやコミュニケーションスペースなど多様なエリアを選択できる点が特徴だ。
このABWをTOYOでは「7つの活動」に再定義し、社内で広く周知するための「働き方のガイドライン」策定にも全社員が主体的に参加した。エンジニアリングビジネスにはプロジェクトベースの協業や自己裁量を最大化した動きが求められるが、ABWの導入によって、社員は必要に応じて場所を選び、互いの専門性を交差させながら新たな価値を生み出すことが可能になる。
オフィス中央部にレイアウトされたコラボレーションスペースやライブラリーは、プロジェクトメンバー間の議論やアイデア交換を促す仕組みが凝縮されている。机や椅子を動かしやすいフレキシブルな家具の配置や、ホワイトボードなどの可動式ツールが設置され、プロフェッショナル同士のコラボレーションを誘発する。さらに、服装規定を自由化することで、社員がTPOに合った装いを自身で判断し、“個”の機動力やコミュニケーションを活性化。風通しの良い企業文化を目指す狙いがあるという。
また、オフィスデザインでは、TOYOのブランドカラーを生かし、「BLUE PLANET」をテーマにプラント配管をモチーフとしたインテリアや照明・サインを設計。小枝や樹皮などを再利用したサステナブル素材のベンチやスツールを配するなど、環境への配慮も取り入れている。来客エリアから執務エリアまで一貫したデザインを軸に「共感・共鳴・共創」を誘発し、個人とチーム双方の成長を後押しする空間づくりが注目を集めている。