金融庁に聞く 人生100年時代に学校現場で教えるべき「金融リテラシー」

消費者を取り巻く金融環境をよりよくすることを目指す金融庁。国際的な潮流も取り入れながら、金融教育の推進を後押ししている。金融庁の取り組みと学校での金融教育の要点、同庁が提供する教育現場をサポートするツールについて聞いた。

金融教育をめぐる2つの誤解

津曲 眞樹

津曲 眞樹

金融庁 総合政策局 総合政策課 課長補佐
OECD-INFE金融教育に関する国際ネットワーク諮問委員。CFA。Yale経営大学院MBA。中央信託銀行、年金資金運用研究センター(現 年金シニアプラン総合研究機構)客員研究員、世界銀行上席投資担当官、Tsumagari&Co., Ltd.代表取締役、国際農業開発基金CFO顧問、東海医療科学専門学校顧問、鹿児島市身体障害者福祉協会監事等を経て現職。

学習指導要領の改訂により、2022年4月から高校の家庭科で「金融教育」が拡充され、家庭科の教員が預金・債券・投資信託・株式という4つの基本的な金融商品の特徴などを含めた「資産形成」について教えることになる。そうした中、研修やモデル授業などを通じ、教育現場に向けて新学習指導要領の準備をサポートしているのが金融庁だ。総合政策局総合政策課の津曲眞樹氏は、金融教育に関して2つの誤解があると指摘する。

1つは、金融教育はゼロベースで始めるものではないということだ。「従来の高校家庭科では、家計管理・ライフプランニングの一環として、貯蓄やクレジットカード利用などを含む金融教育を扱ってきました。新たな学習指導要領では、資産形成が盛り込まれ、その一手段として投資にも触れることになります」。4月からの成年年齢の引き下げもふまえれば、…

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