金融があらゆる産業と一体化、フィンテック人材の能力・キャリアに変化

今後、金融と非金融の境界が揺らぎ、あらゆる産業がフィンテック化していき、誰にとっても金融とテクノロジーのスキルは不可欠になる――。フィンテックの展望とその担い手となる人材について、一般社団法人Fintech協会・代表理事会長の沖田貴史氏に話を聞いた。

フィンテックで活躍する人材は
どのような経験を積んでいるのか

沖田 貴史

沖田 貴史

一般社団法人Fintech協会 代表理事会長
ナッジ株式会社 代表取締役
1977年生まれ。一橋大学在学中にベリトランス株式会社を共同創業し、2015年まで代表取締役CEOとして日本・香港で上場を経験。2016年に、SBI Ripple Asia代表取締役に就任。ブロックチェーン技術の日本・アジアでの実用化に貢献。2020年2月にナッジ株式会社を創業。主な公職に、金融審議会専門委員、SBI大学院大学経営管理研究科教授など。

──フィンテック人材に求められる能力・資質について、どのように見ていますか。

フィンテックは金融とテクノロジーの融合領域ですから、当然、その両方の能力が求められます。2010年代半ばにフィンテックが盛り上がり始めた当時、多かったのはテクノロジーに強い人が金融へと挑戦の場を移すパターンでした。現在では、金融機関の出身者がベンチャーや事業会社へと転身し、テクノロジーの領域にシフトすることも増えています。

金融に限らずですが、日本企業で長らく終身雇用・年功序列が続いてきた中で、大手を辞めてキャリアチェンジをするのは一般的ではありませんでした。それがここ数年、金融業界でも変わりつつあります。

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