身体的・芸術的視点から見た、創造性のプロセスと教育的応用

「表現創作の科学的理解とその教育的応用」を中心に研究する、神戸大学人間発達環境学研究科助教の清水大地氏。身体活動・芸術活動における創造的熟達者に至るプロセスとはどういうものか。創造性促進のメカニズムと身体的・芸術的視点を取り入れた教育への応用などについて話を聞いた。

創造的熟達のメカニズムは
探索を積み重ねていくこと

清水 大地

清水 大地

神戸大学 人間発達環境学研究科 助教
博士(教育学)。研究分野は、認知科学・身体性科学。「表現創作の科学的理解とその教育的応用」をテーマに研究に取り組んできた中で、現在は、ダンスや音楽などのPerforming Artsを対象に創作メカニズムの解明や教育支援など、様々なテーマで研究を行っている。東京大学大学院 教育学研究科教育心理学コース特任研究員、特任助教を経て、2022年1月より現職。

創造性が必要なものといえば、ダンスや音楽等のPerforming Artsを思い浮かべる人も多いだろう。

このPerforming Artsにおける創造的熟達者に至るメカニズムを研究する神戸大学助教の清水大地氏は、「研究の結果、多層な階層における『探索』の累積によって、創造的熟達が進んでいくと考えています」と話す。清水氏はもともと、ダンサーが新しい動きや作品をどのように創り出しているかを探る、ダンスの創造的熟達の研究を行ってきた。その研究で分かってきたのは、彼らが、表面的な動きのレベルから概念的なコンセプトまで、多様な階層において、本人の非意図的なものも含め「探索を繰り返す」営みをしながら作品を創作していることだ。

(※全文:2490文字 画像:あり)

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