創造性神話の誤解を解く 「創造的自己」を解放する環境と仕組み
「創造性」は特別な能力だという考えは広く一般にある。しかし、それは本来誰にでもあり、能力を発揮できるかどうかは個人の認識と環境・仕組みによるところも大きい。創造性研究の観点から、創造性を発揮するための条件について、聖心女子大学の石黒千晶氏に聞いた。

石黒 千晶
聖心女子大学現代教養学部 心理学科 専任講師
2011年3月東京大学教育学部総合教育科学科学校教育学コース卒業。2013年3月同大学院学際情報学府文化人間情報学コース修士課程修了。2014年4月日本学術振興会 特別研究員を経て、2017年7月玉川大学脳科学研究所 嘱託研究員。2017年11月東京大学大学院教育学研究科心身発達科学専修教育心理学コース博士課程修了。博士(教育学)。
東京大学教育学研究員、金沢工業大学情報フロンティア学部心理科学科助教、講師を経て2023年4月より現職。専門は教育心理学、美術教育、美、創造性、芸術。
「創造性」にまつわる
歴史と誤解
教育やビジネスの現場において、創造性が問題解決の鍵としてフォーカスされ話題になっている。最近にわかに重要性が高まったように思われるが、創造性は世界的に重要な教育目標の一つとして位置づけられ、100年以上前から研究が始まり、心理学などの分野での実証的な研究は1950年代から盛んに行われ続けている。
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