改正給特法等が成立 教職調整額を10%まで段階的に引き上げるとともに、教育委員会に教員の働き方改革を義務化
6月11日、公立学校教員の勤務条件を定めたいわゆる「給特法」等を改正する法律が、参議院本会議にて可決され、成立した。
給特法は、正式には「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」。高校までの公立学校の教員について、その職務と働き方の特殊性を考慮し、給与をはじめとする勤務条件を、一般公務員とは別とすることを定めている。
そのひとつが教職調整額。時間外勤務手当および休日勤務手当を支給しない代わりに、月給の4%にあたる額を支払うとしている。
改正法はその教職調整額を、幼稚園の教員を除き、現在の「月給の4%」から10%に引き上げることを柱としている。2026年から1%ずつ段階的に引き上げ、2031年以降は10%とする。
このほか、教育委員会に対し、教員の働き方改革計画の策定や、その実施状況の公表を義務付ける。学校の組織的・機動的なマネジメント体制の構築に向け、「主務教諭」の職も新設する。
改正法をめぐっては、2月7日に法案が閣議決定され、5月15日に衆議院本会議にて可決。教職調整額の引き上げについては2026年1月1日より、その他については2026年年4月1日より施行される。
改正法の成立を受け、同日、あべ俊子文部科学大臣は国民に向けてメッセージ文を発表。教員を取り巻く環境について「改善しなければ、教師の担い手が失われ、教育の質の低下を招きかねないと強い危機感を抱いてい」るとした上で、教員志望者の増加に向け、「教師が『働きやすさ』と『働きがい』を感じられる職場環境を実現し」ていくと述べた。