「正しい答を出す優等生」でなく「問を立てて旅を続ける桃太郎チーム」を生む

既存の確立された企業にも、イノベーション(=新価値創造)は求められているが、社内の制度を考えるときに、いくつかの大きな誤解が生じている。「新価値創造を成功させるための本質的な課題は何なのか」について解説する。

イントレプレナーが
求められる背景

松波 晴人

松波 晴人

大阪大学フォーサイト株式会社 代表取締役社長
大阪大学 共創機構 招へい教授
米国コーネル大学大学院にて修士号(Master of Science)取得の後、和歌山大学にて博士号(工学)を取得。2005年、行動観察ビジネスを開始。2009年に大阪ガス行動観察研究所を設立。2022年に大阪大学100%出資子会社である「大阪大学フォーサイト株式会社」を設立し、社長に就任。著書に『ビジネスマンのための「行動観察」入門』(講談社)、『行動観察』の基本』(ダイヤモンド社)、寄稿に『ハーバードビジネスレビュー「行動観察×ビッグデータ」特集』がある。近著は『ザ・ファースト・ペンギンス - 新しい価値を生む方法論』(講談社)。

変化が激しい世の中において、企業や組織として安定を得ようとすると、次々と新しい価値(新サービス、新商品、新規事業)を生み出していく必要がある。また、ドラッカーは「企業の基本的な機能は2つしかない、マーケティング(顧客の欲求を知る)とイノベーション(新しい価値を生み出す)である」と述べている。さらに、スタンフォード大のオライリー教授は著書『両利きの経営』において、「知の深化(成熟事業を深める)」と「知の探索(新規事業推進)」の両方を実践することが重要だと説いている。現在の日本企業は「成熟事業を深める(=日々の日常業務やカイゼン)」に追われていて、「新規事業を推進すること」には苦戦している、というのが実情である。

(※全文:2917文字 画像:あり)

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