一人一人が公共政策の担い手へ 「政策起業家」育成の現在地とは?

社会が複雑多様化する中、課題を政策アジェンダ化し、その実装に尽力する「政策起業家」が求められている。政策起業家プラットフォーム(PEP※)事務局長の井實悠氏とPEP運営コアメンバーでもある認定NPO法人フローレンス会長の駒崎弘樹氏が政策起業の意義や育成について語る。

社会起業家と政策起業家の両輪へ

駒崎 弘樹

駒崎 弘樹

フローレンスグループ 会長CEO
認定NPO法人フローレンス 会長
慶應義塾大学総合政策学部卒業。「地域の力で病児保育問題を解決し、育児と仕事を両立するのが当然の社会をつくりたい」と考え、2004年にNPO法人フローレンスを設立。日本初の「共済型・非施設型」の病児保育サービスを東京近郊に展開する。2010年から待機児童問題の解決のため、空き住戸を使った「おうち保育園」を展開、政府の待機児童対策政策にも採用される。公職として、内閣府「子ども・子育て会議」委員など。著書に『政策起業家 「普通のあなた」が社会のルールを変える方法』(筑摩書房)。

井實 悠

井實 悠

公益財団法人 国際文化会館
アジア・パシフィック・イニシアティブ 主任研究員
/政策起業家プラットフォームPEP 事務局長
報道ディレクターとして12年間、ニュース番組制作、国会中継や「日曜討論」等の企画制作に携わり、社会課題の現場を多数取材。その後、会計系コンサルティング会社で新規事業創出案件、公共部門(SX)担当などに携わったのち現職。学習院大学法学部政治学科卒業、青山学院大学国際マネジメント研究科(MBA)修了。

井實 駒崎さんは、訪問型病児保育を日本に広めた社会起業家として知られています。政策起業家への道は何がきっかけだったのですか?

駒崎 病児保育の政策化の失敗がきっかけでした。フローレンスが日本で初めて共済型・訪問型病児保育を始めたのですが、それを厚生労働省が真似をして事業化したものの3年で終わってしまいました。

(※全文:2588文字 画像:あり)

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