日本の電器産業の人材育成を50年にわたり支える、「松下幸之助商学院」

滋賀県草津に、地域の電器店の後継者を対象にした、全寮制のユニークな学校がある。パナソニックグループのパナソニックマーケティングスクールが運営する、「松下幸之助商学院」だ。創立50周年を迎えたこの学院では、どのような教育が行われているのか。同社の園田代表に話を聞いた。

滋賀県草津で50年の歴史、松下幸之助商学院

──パナソニックグループの人材育成の原点について教えてください。

園田 晴彦

園田 晴彦

株式会社パナソニックマーケティングスクール
代表取締役社長
1987年、松下電器産業株式会社(現パナソニック)入社。パナソニックテクニカルサービス株式会社四国社社長、パナソニックコンシューマーマーケティング株式会社 LE 中部社社長、日通・パナソニックロジスティクス株式会社代表取締役社長などを経て、2020年より現職。

原点となるのは1934年4月、本社がある大阪の門真に開設された松下電器店員養成所です。創業者の松下幸之助には「事業というのは人である、モノを作る前に人を作ることが肝要だ」との信念があり、モノの生産と人間教育を同時に行う学校を作りたいとの想いで、この施設を作りました。

当時は戦前の旧制中学の時代で、養成所の学生は小学校の卒業生が対象でした。5年制の旧制中学と同レベルの学力を3年間でつけると同時に人間としての修養を目指し、知識・スキル偏重ではなく、人間的に優れた社員を育てようとしました…

(※全文:1890文字 画像:あり)

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