「完全遠隔」のプログラム授業システムを開発 奈良先端科学技術大

奈良先端科学技術大学院大学は4月23日、指導者や学生の居場所を問わず、完全遠隔で授業が可能なプログラミング授業システム「カメレオン」を開発したと発表した。AI等を活用して指導を効率化し、これまで難しかった遠隔×集団でのプログラム授業を実現した。

従来のプログラミング授業は、数人の指導者10〜40人程度の学生らが教室に集まり、指導者らが各学生のプログラムの進捗状況を現場で確認し、直接添削指導する方式が一般的だった。しかし、授業を遠隔で実施した場合、各学生の進捗状況をビデオ通話で管理することが難しく、各学生に十分な教育指導が行き届きにくいという課題があった。

「カメレオン」では、学生はオンラインで授業に参加。各学生の進捗状況はクラウド上で一括管理され、さらに、AIが困っている学生を自動検知して指導者に通知する機能や、よくある質問を対話形式でAIが自動対応する機能を搭載。指導者は遠隔でも効率的に、各学生の進み具合に沿った個別指導をすることができる。

本システムを開発したのは奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 情報科学領域 ソフトウェア工学研究室の平尾俊貴氏と松本健一教授、石尾隆准教授。平尾氏が創業した大学発ベンチャーdToshで商用化した。本システムを使えば様々な業界の専門講師を国内外問わず遠隔で招聘できるため、より幅広い技術支援を教育現場に届けられると考えられる。

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遠隔プログラミング授業システム「カメレオン」の仕組み