子どもが生まれながらに持つ可能性を自然に開花させるイエナプラン・スクール

ドイツ人教育学者ペーター・ペーターセンが1920年代に提唱し、その後オランダで発展した教育理念「イエナプラン」。県東部の佐久穂町に2019年に開校した学校法人茂来(もらい)学園大日向(おおひなた)小学校は、そのイエナプランを実践する日本初の学校だ。どんな学校なのか、久保礼子校長に聞いた。

教師ではなく子どもが主体の
教育を求めて

久保 礼子

久保 礼子

学校法人茂来学園 大日向小学校 校長
1956年生まれ。九州大学文学部卒業。福岡県の公立中学校に社会科教諭として33年間勤務する。2007年より2年間、福岡教育大学大学院にて、オランダ・イエナプランの研究を行う。現地校視察や、現地での研修参加を行う。第1回日蘭アカデミー3ヶ月研修修了。退職後の2014年より日本イエナプラン教育協会理事代表を務める(2021年退任)。大日向小学校には評議員として設立から関与。2022年4月、校長に就任。

──開校の経緯についてお聞かせください。

リヒテルズ直子さんという教育学者・教育ジャーナリストがいらっしゃいます。オランダで子育てをする中で、イエナプランをはじめとする同国のさまざまなオルタナティブな教育の仕組みに出会い、それを数々の著作を通じて日本に紹介している方です。2000年代、彼女の活動を通じてイエナプランに関心を持つ人が現れ、互いに集まって「日本イエナプラン教育協会」という学習会を立ち上げ、草の根的に活動するようになりました。

私がイエナプランに出会ったのは、福岡県の中学校で社会科の教員を務めていた40代後半のときでした。その頃の私は、…

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