長野県教育長 個人と社会のウェルビーイングの実現へ「探究」に力を注ぐ
教育が目指す姿として「個人と社会のウェルビーイングの実現」を掲げる長野県。現在、探究的な学びの充実やICTの活用、教員の働き方改革、共学共創による地域づくりなど、様々な施策を進めている。長野県の教育行政の取組と方向性について、内堀繁利教育長に話を聞いた。
個人と社会の
ウェルビーイングを実現する
内堀 繁利
──長野県では、第4次教育振興基本計画の中で、目指す姿として「個人と社会のウェルビーイングの実現」を掲げられています。
私は以前、公立高校の教員を務めていました。多様な子どもたちと接し、「学校は何のためにあるのか」「学ぶとはどういうことか」「学びは人生にどのように関わるのか」など、根源的なことを考えるようになりました。そうした中で、ある時、「学びとは人が幸せになるためにあるのではないか」という考えに至りました。
また、一人ひとりが幸せを感じ、その幸せが持続するためには、社会もよりよいものでなければなりません。学びは人が幸福になり、よりよい社会をつくっていくためのものであると、自分なりに結論を出したのです。そして、OECD(経済協力開発機構)が掲げる「個人と社会のウェルビーイングの実現」は私のこの考えとも合致すると感じています。
かつての学校教育は、将来のために現在の理不尽な我慢を強いる側面もありました。例えば、「大学受験のために、…
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