若者の自立を支援 希望を失った子に「明日を生きる力」を

侍学園スクオーラ・今人は、年齢無制限で生徒を受け入れ、社会で生きづらさを感じている子どもや若者が、自分らしく充実した人生を送ることができるように、学校形式による包括的な自立支援を行っている。生徒は「生きる力」を身につけて自立を遂げ、卒業後の就労率は100%だ。

全国のフリースクールを
視察して覚えた「違和感」

長岡 秀貴

長岡 秀貴

認定NPO法人 侍学園スクオーラ・今人 理事長
1973年、長野県上田市生まれ。大学では教育学部に進学し、卒業後は5年間の高校教員の勤務を経て2004年、「侍学園スクオーラ・今人」を上田市に開校、理事長に就任。沖縄県八重瀬町にもサテライトとして開校。現在は学園の活動のほか、千葉と沖縄の総合病院小児科で心理相談室を開設するなど精力的に活動している。全国各地へ講演会活動等を通じ、新しい生き方のモデル・新しい共育のモデルを訴え続けている。

長野県上田市と沖縄の2校で活動を展開する侍学園スクオーラ・今人(いまじん)(通称サムガク)は、画一的なカリキュラムで「教え育てる」のではなく、自ら探し、求め、そして生徒、スタッフが共に成長できる「共育」を目指している。合宿型訓練、総合学習、体験学習、就労体験など、さまざまな体験を通して、生徒たちは社会での自立を遂げていく。卒業後の就労率は100%だ。

サムガクの創設者で理事長の長岡秀貴氏が学校設立を思い立ったのは、大学生時代の20歳の頃。90年代前半、当時すでに社会問題となっていた不登校に関心を抱いた長岡氏は、全国のフリースクールを何十ヵ所も視察した。

「フリースクールの子どもたちと話をしてみると、私が思っていたよりも、いろいろなことを考えて自らの生き方を選択し、凄みさえ感じました。次の日本を牽引していくのは彼らだと思ったくらいです。『学校に行けなくてかわいそう』だとか、…

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