「日本を今一度せんたく致し申候」下村龍馬塾開設で教育格差解消
東京都西新宿に新たな教育支援の拠点が誕生した。株式会社チャーム・ケア・コーポレーション(以下、チャーム・ケア)、認定NPO法人キッズドア、河合塾グループ(以下、河合塾)、三菱地所レジデンス株式会社、そしてチャーム・ケア代表取締役会長兼CEOの下村隆彦氏が協働し、介護付有料老人ホーム「チャームスイート西新宿」に併設する「キッズ・ポート西新宿」内に、困窮家庭の受験生を対象とした学習支援プロジェクト「下村龍馬塾」を開設する。この取り組みは、経済的困難を抱える子どもたちに教育機会を提供し、世代間交流を通じて社会課題の解決を目指す画期的なモデルとして注目される。
「キッズ・ポート西新宿」。この施設では、学習支援に加え、食事や物資の提供、さらには入居高齢者との交流イベントを通じて、世代を超えた教育福祉の向上を図る。
学びと交流の場を創出
「キッズ・ポート西新宿」は、チャーム・ケアが運営する「チャームスイート西新宿」の一角に設置され、キッズドアが中心となって困窮家庭の小学生から高校生を対象に学習支援や居場所支援を提供する。チャーム・ケアと三菱地所レジデンスの協力により実現したこの施設では、学習支援に加え、食事や物資の提供、さらには入居高齢者との交流イベントを通じて、世代を超えた教育福祉の向上を図る。キッズドアはこれまで、東京近郊や宮城で同様の支援を展開してきたが、介護施設との連携は新たな試みだ。
難関大学への挑戦を支援
「キッズ・ポート西新宿」内に開設される「下村龍馬塾・西新宿校」は、下村隆彦氏の寄付により運営され、難関国公立大学や私立大学を目指す受験生を対象に特化した教育プログラムを提供する。首都圏初、全国では神戸市に続く2校目となるこの塾は、経済的理由で進学を諦めざるを得ない高校生に希望を与える場となる。下村氏は、「どんな境遇でも高みを目指す挑戦マインドを持った若者にチャンスを」との思いから、自身の経験と坂本龍馬の精神に着想を得て本プロジェクトを立ち上げた。
5者連携による選抜教育プログラム
このプロジェクトでは、三菱地所レジデンスが5者の連携をコーディネートし、キッズドアと河合塾が「下村龍馬塾」の生徒の中から特に優秀な受験生を選抜。河合塾のノウハウを活かした教育プログラムで難関大学合格を支援する。選抜生は下村氏の支援により、河合塾の季節講習や入試セミナーを無償で受講可能となり、学習参考書も提供される。一方、チャーム・ケアは高齢者と生徒が交流するイベントを企画し、受験勉強以外の学びの機会を創出。三菱地所レジデンスは備品の一部を無償提供するなど、各者が強みを活かした役割を担う。
教育格差の解消へ
下村氏は、62歳で介護業界に参入し、東証プライム市場への上場を果たした経営者としての経験を基に、「第3の人生」として社会貢献に注力している。郷土の偉人・坂本龍馬に共感し、「経済格差が教育格差につながる現状を打破したい」と語る。その思いが、「下村龍馬塾」を通じて、挑戦意欲ある若者に新しい未来を切り開く機会を提供する原動力となっている。
未来へのモデルケース
この5者連携は、企業、NPO、教育機関が協働し、社会課題に取り組むモデルケースとして期待される。少子高齢化が進む日本において、子どもたちの教育支援と高齢者の社会参加を同時に実現する本プロジェクトは、持続可能な社会づくりに向けた一歩となる。