青山学院大学、2027年に「統計データサイエンス学環」を新設構想 文理融合の学士課程で社会貢献のリーダー養成へ
青山学院大学は2025年10月9日、2027年4月に「統計データサイエンス学環(仮称)」を青山キャンパスに設置する構想を明らかにした。同学が青山キャンパスに設置する初の理系学士課程であり、既存の学部を横断する「学部等連係課程」という新たな教育スタイルを採用する。予測困難な現代社会において、データを活用し課題解決を導くサーバント・リーダー、すなわち他者に仕えながら新しい価値を創造する人材の養成を目指す。
新設される「統計データサイエンス学環」は、統計的な思考力やビッグデータ分析、AI活用のスキルを体系的に教育することで、未来を予測し、社会課題の解決に貢献できる人材の養成を目的とする。入学定員は60名を予定している。
「学環」は、従来の学部の枠を超え、複数の学問分野を環状につなぐ新しい教育課程だ。教育人間科学部、経済学部、法学部、経営学部、理工学部の5学部と連携し、データサイエンスの高度な専門教育を軸としながら、「ビッグデータを活用したビジネス」や「AIと法」といった文理融合の横断的な学びを展開。これにより、幅広い応用領域で求められる多様な知識と思考力を育成する。
教育プログラムは、実社会の課題に即応できる実践力を重視する。プロジェクト型学習(PBL)や、実務家データサイエンティストによるケーススタディを豊富に取り入れる計画だ。また、多くのIT企業が集まる渋谷・青山の立地を活かし、データサイエンスの最前線で求められる専門知識と技能を培う。さらに、医学部における大学附属病院のように、実践的な分析経験を積む場として「統計データサイエンス研究教育センター(仮)」を設置し、教育・研究に活用するとしている。
卒業生は、情報・通信分野のデータサイエンティストやAIエンジニアをはじめ、コンサルティング、金融、製造、法務、教育など、ビッグデータが集積するあらゆる分野での活躍が期待される。今回の新学環設置構想により、青山学院大学は11学部1学環を擁する総合大学になり、社会が求める高度な専門人材の育成を目指す。