アート思考で育成する非認知能力 主体性や他者理解を促進

自分だけのものの見方で世界を見つめ、自分なりの答えや新たな問いを生み出す「アート思考」。自分自身の答えをつくり、主体性を突き詰めていくことは、他者への理解にもつながる。こうした非認知能力は、学校教育だけでなく社会人の学びにおいても注目を集めている。

アートの本質を探究し、自分だけのものの見方を養う

末永 幸歩

末永 幸歩

美術教師・アーティスト
武蔵野美術大学造形学部卒、東京学芸大学大学院教育学研究科(美術教育)修了。東京学芸大学個人研究員、浦和大学こども学部講師。中学・高校で展開し「美術がこんなに楽しかったなんて!」「物事を考えるための基本がわかる授業」と話題の授業を体験できる『13歳からのアート思考』はビジネスパーソンの間でも話題となり、16万部を超えるベストセラーに。Udemy 動画講座「大人こそ受けたい『アート思考』の授業ー瀬戸内海に浮かぶアートの島・直島で3つの力を磨くー」を2021年5月に開講。教育機関での出張授業、大人向け講演・セミナーなども行っている。

16万部以上の売り上げを誇り話題となった『13歳からのアート思考』。著者の末永幸歩氏は、美術教師として教壇に立つ中で、既存の美術の授業に違和感を持つようになったという。学校の美術教育で一般的に行われてきた、「絵を描く」「ものをつくる」「アート作品の知識を得る」という授業スタイルは、一見、創造性を育むものに見えるが、かえって個人の創造性を奪うと感じるようになったのだ。自分なりのものの見方や考え方とはほど遠いところで、物事の表面だけを撫でてわかった気になり、大事なことを素通りしてしまっているのではないか、と考えたという。

事実、中学生が嫌いになる教科 No.1は美術だという。「技術や知識」偏重型の授業スタイルは、多くの生徒が美術に対して苦手意識を持つ要因に...

(※全文:2419文字 画像:あり)

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