離島の漁村留学 豊かな自然と異年齢集団で育む非認知能力

鹿児島県の西に浮かぶ甑島(こしきしま)列島。離島・下甑島にある鹿島小学校では、全国から留学生を受け入れる漁村留学制度を設けている。豊かな自然、里親のもとでの生活、生まれも育った環境も違う異年齢集団での活動を通して、自然と非認知能力が身についていく。

漁村留学で不登校を克服 離島でダイナミックに成長する

東條 睦宣

東條 睦宣

鹿児島県薩摩川内市立鹿島小学校 校長
奄美大島に生まれ育ち、高校時代は奄美大島内の高校に下宿生活をしながら通う。徳之島の小学校を皮切りに、教諭・教頭として8小学校、1中学校に勤務。教頭時代は、小学生6人、中学生2人の小さな離島に中学生の息子と2人で3年間過ごした経験も。2019年から現職となる。

1995年の国勢調査で、人口が1,000人を切った鹿島村(現・薩摩川内市)。少子高齢化問題が現実味を帯び、下甑島の鹿島小学校では、新1年生がいないという状況に直面した。そこで翌年4月、17人の留学生を受け入れたのが「ウミネコ留学制度」の始まりだ。

開始から25年、2020年度までに279人を受け入れている。地元の子どもと留学生の割合は、概ね半々程度。福岡・鹿児島の九州圏から来る子が最も多く、次いで東京や兵庫が多い。留学の目的は大きく3つ...

(※全文:2529文字 画像:あり)

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