VUCAの時代に、「社会を変革する担い手」をどう育てるか

これまで、「社会に適合する人間」を育てることを求められてきた学校は、大きく変化する社会の中で「変革の担い手」を育てることを求められている。社会を変える人をどう育てるのか、東京大学大学院教育学研究科の小玉重夫教授に聞いた。

VUCA時代の教育の課題

小玉 重夫

小玉 重夫

東京大学 大学院教育学研究科 教授
1960年生まれ。東京大学法学部政治コース卒業、同大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。慶應義塾大学教職課程センター助教授、お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授などを経て、現在、東京大学大学院教育学研究科教授。専門は、教育哲学、アメリカ教育思想、戦後日本の教育思想史。

「VUCA」の時代と言われる現代。改めてVUCAとは、「Volatility(変動)」「Uncertainty(不確実)」「Complexity(複雑)」「Ambiguity(曖昧)」の頭文字をとった造語で、変化が激しく、かつ、将来の予測が困難になっている状況を意味する。

このVUCA時代において最も大きな要素となるのは「デジタル化」だ。単に従来の設備や仕組みをデジタル技術に置き換えるのではなく、物事の進め方に変容や変革が起きる『DX』が進んでおり、教育領域にも大きな影響を与えている。また、社会や教育のあり方を大きく革新していく『イノベーション』も重要な要素だ。「この2つが今後の社会と教育に必要なものを理解するためのキーワードです」と小玉氏は話す。

(※全文:2209文字 画像:あり)

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