高等教育政策の方向性:「志」ある人材の育成と大学に求められる経営視点

社会環境の変化が急速かつ予想不能な時代に、大学をはじめとする高等教育機関の役割が重要性を増している。文部科学省はどのような政策を描き、推進していくのか、今後の高等教育の姿を義本博司・文部科学事務次官に聞いた。

個人と社会の幸せを
両立させる「志」の教育

義本 博司

義本 博司

文部科学省 事務次官
京都大学法学部卒業。1984年に文部省(現 文部科学省)入省。文部省 学術国際局国際企画課専門員、文部科学省 生涯学習政策局政策課生涯学習企画官、文部科学省 初等中等教育局幼児教育課長、文部科学省 高等教育局大学振興課長などを経て、2017年7月に文部科学省 高等教育局長、内閣官房人生100年時代構想推進室長代行補に就任。その後、大学入試センター理事等を歴任し、2021年9月より現職。

──人口減少社会、そしてVUCA時代の到来など、教育を取り巻く環境が激変しています。高等教育における政策の方向性について、具体のお考えをお聞かせください。

ここ数年、デジタル技術の急速な進化や新型コロナウイルス感染症の拡大など、かつて経験したことがないような変化が起きました。一方で、世界的にサステナビリティの重視が浸透したことで、個人の幸せと社会全体の幸福を両立させる「ウェルビーイング」を基調とした教育改革が求められていると感じます。

(※全文:2193文字 画像:あり)

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