2050年の地域の姿を視覚化 「未来カルテ2050」公開

千葉大学大学院社会科学研究院の倉阪秀史教授らは7月7日、2050年の各自治体の姿を視覚化する「未来カルテ2050」を公開した。人口減少・高齢社会の市町村への影響をシミュレートして数値で視覚化するプログラムで、誰でも無料ダウンロード可能。教育への活用も見込んでいる。

「未来カルテ2050」のイメージ

出典:千葉大学プレスリリース

「未来カルテ」では、人口減少や高齢化に対して何も対策せず、現在の傾向が継続した場合の産業構造や保育、教育、医療、介護の状況、公共施設・道路、農地などの維持管理可能性、住宅の供給可能性、再生可能エネルギーによる自給可能性などについて、市町村や都道府県ごとのデータを入手できる。

元となるデータは国勢調査や国立社会保障・人口問題研究所の人口予測などの各種統計データを用い、5年ごとの推移をシミュレーションした結果を掲載。また、再生可能エネルギー、廃棄物、公共施設・道路などについては、実績データを掲載し、近年の傾向を把握することができる。

「未来カルテ」は、自治体の政策・総合計画の検討のほか、中学生・高校生や自治体職員、地域住民の勉強会など、将来の課題に気づくための各種研修プログラムなどで活用されることを想定。同カルテの情報を踏まえて、中学生・高校生などが2050年の未来市長として課題と政策を考える「未来ワークショップ」も全国の自治体で開催している。