休校でも自分で勉強を進められる「自学力」の高い生徒の能力を数値化
AI技術で評価バイアスを補正することで、より正確な適性検査が行える「Ai GROW」を提供するInstitution for a Global Society(IGS)は6月15日、3800万件を超える評価データをもとに、休校や分散登校で授業環境が不十分な中でも、自ら考え自学する「自学力」の高い生徒の能力を数値化したと発表した。その結果、自学習できた生徒は、一般的な生徒と比較して「自己効力」のスコアが高いことが明らかになった。
新型コロナウイルス感染症拡大による休校中に、オンライン授業を実施したのは全国の公立校の5%、再開後も44%の学校が短縮授業や分散登校を実施していることが文部科学省の調査で明らかになっている。今後も自宅での自学の時間が増えることが予想される中、IGSは「Ai GROW」に蓄積された児童生徒の非認知能力のデータをもとに、「自学力」の高い生徒の能力を分析した。
その結果、自学力の高い生徒は「自己効力」(何らかの課題に直面しても「自分ならできる」と自信を持って物事を進めることのできる能力)のスコアが高い生徒であることが明らかになった。また、同調査では自己効力の高い生徒が多い学校の例として、2019年の新設校ながら、定員100人に対して19年比+29%の829人が出願したドルトン東京学園を挙げている。同校はその理由として、①「恐れずに進め」という明確な判断軸があり、それに共感した生徒や保護者が集まっている。②「生徒の写し鏡」の教師自身がスクールモットーの「恐れずに進め」を実践している。③子供扱いせずに1人の対等な人間として「契約」する、の3点を挙げている。
IGSは、自学力の源泉となる自己効力をはじめ、従来スコア化が難しかった非認知能力の可視化を通じて、アフターコロナに求められる人材教育を今後も進めるとしている。