22年版QS世界大学ランキング発表 不安視される日本の研究業績の低下

高等教育の世界的評価機関であるQS(Quacquarelli Symonds)社は6月9日、世界大学ランキング(第18版)を発表した。ランク入りした日本の大学の半数近くが昨年よりも順位を下げる結果となった。一方、東京大学は世界ランキングで順位を1ランク上げて同率23位、アジアの大学では6位となった。

マサチューセッツ工科大学(MIT)は10年連続で世界1位に選ばれ、これまでの連続記録を更新した。オックスフォード大学が2006年以来、2位に返り咲いた一方で、スタンフォード大学とケンブリッジ大学は同率3位となった。

ランキングには日本の大学が48校含まれており、昨年版よりも7校増加したが、順位を下げた大学が23校あった。世界ランキング23位となった東京大学は、Academic Reputation(学術関係者からの評判)が満点、Employer Reputation(雇用者からの評判)でもほぼ満点(100点満点中99.6点)と、高得点を獲得した。

QS社のリサーチ責任者であるベン・ソーターは次のように述べている。「日本の後退の主な背景として、研究業績の低下があげられます。今年の初め、日本では『大学ファンドの創設』が新たに発表されました。これは衰退しつつある日本の研究成果の復活に向けた、希望の持てる一歩ですが、投資開始は2022年以降であり、我々のランキングにおいて成果が目に見えるようになるまでには、そこからまだ数年かかるでしょう」

21.6.9news2

10年連続で世界1位に選ばれたマサチューセッツ工科大学