「保育専門通訳システム」の実証実験結果を発表 明日香と浜松市

総合保育サービスを提供する明日香は6月26日、浜松市協力の下で実施していた保育現場における有用性のある通訳システムについての実証実験結果を発表した。近年、保育所・幼稚園でも外国籍乳幼児の受け入れが増えているため、同実験は効果的なインクルーシブ保育(共生社会)を実現し、保護者支援を含む保育業務全般の質向上を行うことを目的として実施された。

 保育の現場には、汎用の通訳機では認識しづらい「保育現場に特化した言葉」が存在する(「登園・降園」、「園長」など)。そのため、汎用機を使う場合、代用語への言い換えや異訳などの調整が必要となるが、「保育専用の通訳システム」では、保育特有の用語も認識できるため、現場でスムーズにコミュニケーションできる。今回の実証実験では保育の専門用語を洗い出し、それらを言語データベースにリスト化・集積することで、保育専門の翻訳エンジンを構築した。

 実験結果によると、「通訳機を使ってみて、実際の業務に役立ちましたか?」との問いに「とても役に立った」「役に立った」と回答した保育者は77%だった。また、「とても役に立った」「役に立った」と回答した人に「役に立ったのはどんな場面ですか(複数回答)」と質問したところ、「送迎時」が32%で最多、次いで「保護者面談」(23%)の順になった。

 一方、「役立たない」「全く役立たない」と回答した人にその理由を聞くと、33%が「訳が正確に伝わらない」と回答。自由回答では「保護者会などで長時間(15分程度)の会話をする時に全て訳すことが難しい」「大人数での会話を翻訳するには適していない」などが意見として挙げられた。

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