探究学習、4つのステップのうちもっとも難しいのは「課題の設定」リクルート進学総研調べ

株式会社リクルートが運営するリクルート進学総研は1月9日、2024年度「高校教育改革に関する調査」の結果を発表した。

総合的な探究の時間、アントプレナーシップ教育、ICT活用など、高校の教育改革に関する現状を調べた。

調査は昨年9月、全国の全日制高校を対象に実施。671校から回答を得た。

総合的な探究の時間について、導入しているか尋ねたところ、しているとの回答が97.2%に上った。2022年の前回調査から2.3ポイント増加した。

導入していると回答した高校(n=652)に、探究の4つのステップ(「課題の設定」、「情報の収集」、「整理・分析」、「まとめ・表現」)のうち、どれにとりわけ難しさを感じるか尋ねたところ、「課題の設定」が62.1%と、他に大差をつけてトップとなった(画像参照)。他はいずれも1桁台だった。

理由を尋ねたところ(自由回答)、「高校生の段階では知識の幅が狭く、どの生徒も同じような課題設定になってしまうことが多い。また、自分の趣味の範囲をなかなか越えることができず、社会的な課題、問題解決につながるようなテーマを設定する生徒が少ない」(兵庫・私立)などの回答が見られた。

アントプレナーシップ教育について、導入しているか尋ねたところ、「導入している」が15.2%、「導入していないが、導入を検討している」が12.5%。

合わせても「導入していないし、する予定もない」(53.9%)には及ばなかったが、それでも前回調査から「導入している」は6ポイント近く、「導入していないが、導入を検討している」は4ポイント近く増加した。

ICTについて、どのように活用しているか尋ねたところ(複数回答可)、「宿題・課題等をオンラインで配布」が92.0%で最多。「家庭とのコミュニケーション」(49.3%)、「オンラインによる双方向型授業・学習支援」(45.4%)、「動画配信によるオンデマンド型授業」(29.8%)と続いた。

教員は授業や校務に生成AIを活用しているか尋ねたところ、「学校全体で組織的に活用している」が1.5%、「学年や課程・学科・コース・教科単位で活用している」が2.2%、「教員個人で活用している」が50.2%、「使い始めていない」が45.8%だった。

活用していると回答した高校(n=362)に、具体的にどのようにか尋ねたところ(複数回答可)、「授業教材やテスト問題の作成」が42.8%でトップ。「挨拶文や保護者向けお知らせ文書の作成」(33.4%)、「課題の採点や添削」(24.6%)と続いた。

調査結果の詳細は以下から見ることができる。
https://souken.shingakunet.com/research/pdf/2024_kaikaku_houkoku.pdf

リクルート プレスリリースより