山梨大と北里大、連携協定を締結 ノーベル賞受賞者の大村智氏に縁のある2大学が創薬分野で協働
山梨大学と北里大学は4月21日、包括連携協定を締結した。創薬分野の教育研究や専門職の育成に共同で取り組む。
いずれの大学も、2015年にノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智氏とゆかりがあることから、この度の連携協定締結に至った。
大村氏は1958年に山梨大学を卒業。その後、都立高校の教諭を務めながら大学院を修了し、1965年に北里大の関連機関である社団法人北里研究所に入所。同大薬学部助教授を経て、1975年教授に就任し、ノーベル賞の受賞理由ともなった、微生物資源を活用した創薬研究に取り組み、現在では特別栄誉教授を務めている。
このような縁から、両大学は以前から教育研究で連携。昨年6月には、山梨大の甲府西キャンパス内に研究組織「大村記念微生物資源研究フロウティラ」を開設。菌類に含まれる有用物質の探索を推進している。
今後は、このような微生物資源を活用した創薬研究のほか、不妊治療における胚(受精卵)の培養を行う専門職である「胚培養士」の育成にも共同で取り組む。
山梨大の中村和彦学長は「地域から日本全国へ、さらには世界に向けた研究成果の展開と人材輩出に貢献したい」、北里大の砂塚敏明学長は「大村先生の縁にもとづき、優秀な研究者や研究者を目指す若い世代がここに集まり、さらに教育研究の充実が実現するという好循環を生み出していきたい」と語った。
また、締結式に臨席した大村氏は「研究の成功を信じている。両大学が互いに足りないところを埋め合って、更に発展してほしい」と述べた。