運営方針会議の設置など国立大学法人法の一部を改正する法律が成立
12月13日、参議院本会議において、一部の規模が大きい国立大学(特定国立大学法人)に運営方針会議の設置等を盛り込んだ「国立大学法人法の一部を改正する法律」が可決、成立した。
今回の法改正により、理事が7人以上の国立大学法人のうち、収入及び支出の額、収容定員の総数、教職員の数を考慮して事業の規模が特に大きいものとして政令で指定するもの(特定国立大学法人)は、運営方針委員3人以上と学長で組織する「運営方針会議」を設置することとした。
運営方針会議の権限には、「① 運営方針会議を設置する国立大学法人において、中期目標・中期計画及び予算・決算に関する事項(運営方針事項)については、運営方針会議の決議により決定する」、「② 運営方針会議は、決議した内容に基づいて運営が行われていない場合に学長へ改善措置を要求することができる」、「③ 運営方針会議は、学長選考の基準その他の学長の選考に関する事項について、学長選考・監察会議に意見を述べることができる」といった権限がある。なお、運営方針委員は、「学長選考・監察会議との協議を経て、文部科学大臣の承認を得た上で、学長が任命する」としている。
今回の法改正では、「国立大学法人等の資金調達方法の対象拡大及び資産管理方法の弾力化」として、「① 国立大学法人等が長期借入金や債券発行できる費用の範囲について、現行制度上可能である土地の取得、施設の設置又は整備、設備の設置に加え、先端的な教育研究の用に供する知的基盤の開発又は整備についても可能とする」、「② 国立大学法人等の所有する土地等の第三者への貸付けについて、あらかじめ文部科学大臣の認可を受けた貸付計画に基づいて土地等の貸付けを行う場合にあっては、現行制度上個別の貸付けごとに必要となる文部科学大臣の認可を要せず、届出によって行うことができることを可能とする」法改正を行った。
また、国立大学法人東京医科歯科大学と国立大学法人東京工業大学を統合して国立大学法人東京科学大学とする国立大学法人の統廃合に必要な改正を行った。施行日は、2024年10月1日(ただし、「国立大学法人等の資金調達方法の対象拡大及び資産管理方法の弾力化」に係る規定は2024年4月1日、国立大学法人統廃合の改正のうち準備行為に係る規定は公布日。改正法案の概要はURLから確認できる。
https://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/detail/mext_00052.html
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