ChatGPTがもたらす人的資本経営への影響 産学共同研究が開始

一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム(以下、「HRT」)は、会員であるデロイトトーマツコンサルディングとの共同企画「ChatGPTが人的資本経営にもたらす衝撃/インパクト」について、東京大学大学院、慶應義塾大学、京都大学他の学術機関有識者と民間企業の専門家からの意見を集め、「ChatGPT×人的資本経営ガイドライン」をリリースすると共に、最終的には上場企業経営者、人事部門長向け提言を行う産学連携共同調査研究を、6月28日よりスタートした。

ChatGPTが「人的資本経営」にどのような影響を及ぼすかについては、日本国内において専門的・本格的な産学連携の調査研究活動が未だ行われていない。ChatGPTの導入は、人的資本経営に関わる経営者、人事部門に様々なプラス/マイナスを持つため、経営戦略と連動させた人事戦略への反映と綿密な計画策定が必要だ。

そこで、HRTでは2015年以来のHRテクノロジーと人的資本経営・開示に特化した調査研究を通じて形成してきた産業界と学術機関の人的ネットワークを活用し、「人的資本経営、特に雇用に与えるインパクトの可視化」「企業の人事業務効率化インパクトの特定」「戦略的人事業務への有用性の検証」「法的リスクの検証とガイドラインの策定」を主な目的として活動をスタートする。

ChatGPTが人的資本経営にもたらすインパクトについては、以下のようなプラスとマイナスの両面が考えられる。

<プラス>
・業務効率向上
・戦略的なアイデア創造
・データ解析と予測

<マイナス>
・人間との相互作用の欠如
・倫理的な問題
・人材の置き換え

今後、ChatGPTは企業の人事関連業務領域に破壊的な構造変化を引き起こすことが予想される。HRTでは、2023年7月より本格スタートする同活動に参加する民間企業経営者、人事部門及び機関投資家を募集。人的資本領域の有識者を招いて隔月のペースで調査研究の成果、国内外の事例を発表し、参加者間の討議を行う研究会を開催する。日本企業が世界で勝つために、人的資本経営のあり方を参加者同士で学び合う機会を提供するとしている。

230629news1

画像はイメージ
Photo by FreeBackPhoto,photoAC