文科省2024年度補正予算案、総額9,067億円 GIGAスクール構想推進に383億円

政府は11月29日、2024年度補正予算案を閣議決定した。一般会計で総額13兆9,433億円。文部科学省は9,067億円を計上した。

「初等中等教育におけるデジタル人材育成等の強化」に383億円(基金を含む)を要求した。1人1台端末の更新や通信ネットワークの改善、次世代校務環境の整備について、自治体への伴走支援を行う。併せて、生成AIを駆使した英語教育など先端技術の活用に関する実証や、成長分野を支える人材の高校段階における育成の強化も行う。

また「学校施設等の整備」に2,883億円を計上した。 老朽化対策、耐震化、防災機能強化、空調設置などを通じ、安心・安全な教育環境を確保する。加えて、災害時に避難所となる学校体育館について、空調整備を加速する。能登半島地震や豪雨により被害を受けた学校施設の復旧については、「学校施設の災害復旧等」として別箇に337億円を要求した。

「不登校・いじめ対策等の推進」には4億円を計上した。不登校の未然防止・早期対応に向け、保護者に対する相談支援や情報提供の体制構築に取り組む。さらに警察OB・OGらで構成される専門家チームを教育委員会に設置し、いじめへの対応を行うとともに、未然防止に向けて指導教材等の作成を行う。

「教師を取り巻く環境整備」には62億円を要求した。学校だけでは対応が困難な事案解決のための支援体制の構築や教師のメンタルヘルス対策の強化、校務DXを図る。

このほか、「リカレント教育エコシステムの構築」に21億円を計上した。産学官連携プラットフォームを構築し、地域や産業界の人材(経営者を含む)育成ニーズに応じた教育プログラムを開発する試みに対し、支援を行う。

さらに「大学・高専等における教育研究基盤の強化等」に379億円を計上した。イノベーション創出や地方創生、成長分野の牽引につながる教育研究を進めるために必要な基盤設備や、国際共同研究を行うために必要な最先端設備の整備を支援する。

加えて、AI、量子、マテリアル、健康、医療など「重点分野の研究開発の推進や基盤整備」に 248億円、「次世代半導体の研究・人材育成に向けた環境整備」に76億円を要求した。

詳細は以下から見ることができる。
https://www.mext.go.jp/content/20241129-ope_dev02-000031627_1.pdf

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