経産省が生成AI時代に必要な人材・スキルの考え方を公表

経済産業省は8月7日、デジタル時代の人材政策に関する検討会での議論を踏まえ、「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方」を取りまとめた、その内容を公表した。 

生成AIの技術は、生産性や付加価値の向上等を通じて大きなビジネス機会を引き出すとともに、様々な社会課題の解決に資することが期待されている。検討会では、生成AIを適切かつ積極的に利用する人材・スキルの在り方について議論し、現時点で採るべき対応をアジャイルに取りまとめたもの。

取りまとめでは、生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルについて3つのカテゴリに整理された。まず、(1)マインド・スタンスやリテラシーでは、生成AI利用の際は、DX推進に必要なものと本質は大きく変わらないとしつつ、補足的に、生成AIを「問いを立てる」「仮説を立てる・検証する」等のビジネスパーソンとしてのスキルと掛け合わせることで、生産性向上やビジネス変革へ適切に利用しようとしていることなどが挙げられた。また、基本的なデジタルリテラシーとして生成AIを使う際の倫理や教養の重要性を指摘している。

次に、(2)指示(プロンプト)の習熟、言語化の能力、対話力等では、新たな職業として生成AIが最適な答えを返すように指示を開発・改良するプロンプトエンジニアの需要が高まっていると述べた。同時に、指示の書き方そのものは自動化等が進むという意見もあり、本質的には、自動化できる部分の特定・自動化するための技術の組み合わせ等を考えられる人材の育成が重要となると指摘している。

最後に、(3)経験を通じて培われる、「問いを立てる力」「仮説を立てる力・検証する力」等では、生成AIの効果的な利用には、どのような場面でAIを利用すべきか自分で分析して考える力、問いを立てる力、生成AIが返してきた生成物に対しての評価をする力などが重要となると述べた上で、これらの力は経験を通じて培われるもので、職種や役割に縛られないベースのスキルとして必要なものであるとしている。

「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方」の詳細は、下記を参照。
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230807001/20230807001.html

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