OECD第2回「国際成人力調査」(PIAAC)、日本は3つの力のいずれにおいても2位以内

経済協力開発機構(OECD)は12月10日、第2回「国際成人力調査」(PIAAC)の結果を発表した。

PIAACは、OECD加盟国・地域の16~65歳の「成人力」(adult competency, adult skill)を測定し、国際比較を行うもの。

「成人力」とは、日常生活の様々な場面で、文章や図などの形で提供された情報を理解し、それを活用して課題を解決する力のこと。知識の多寡とは関係ない。

文章をもとに課題を解決する「読解力」、数的な情報をもとに課題を解決する「数的思考力」、流動的な状況において目標を達成する「状況の変化に応じた問題解決能力」(APS)の3つについて、各500点満点の問題群を用いて測定する。問題例は画像を参照(APSに関するもの)。

24の国・地域が参加した2011年の第1回調査に続く今回調査は、2022年9月から昨年8月にかけて実施。31の国・地域から約16万人が参加した。日本からは、住民基本台帳から無作為に抽出された16歳~65歳の5,165人が参加した。

その結果、平均得点について、日本は読解力、数的思考力において2位、APSにおいてトップタイとなった。

また、得点をスケール化した「習熟度レベル」(「レベル1未満」を最低、「レベル5」(APSは「レベル4」)を最高とする)について、日本は読解力、数的思考力、APSのいずれにおいても「レベル1未満」の割合がもっとも少なく、レベル4以上の割合が2番目に多かった。

読解力、数的思考力、APSのそれぞれについて、平均点のトップ5は以下の通り。

【読解力】

順位

国・地域(前回順位)

平均得点(前回平均得点)

1位

フィンランド(2位)

296点(288点)

2位

日本(1位)

289点(296点)

3位

スウェーデン(5位)

284点(279点)

4位

ノルウェー(6位)

281点(278点)

5位

オランダ(3位)

279点(284点)

 

全体

260点(273点)


【数的思考力】

順位

国・地域(前回順位)

平均得点(前回平均得点)

1位

フィンランド(2位)

294点(282点)

2位

日本(1位)

291点(288点)

3位

スウェーデン(5位)

285点(279点)

4位

ノルウェー(6位)

285点(278点)

5位

オランダ(4位)

284点(280点)

 

全体

263点(269点)


【APS】(前回は実施なし)

順位

国・地域

平均得点

1位

フィンランド

276点

日本

3位

スウェーデン

273点

4位

ノルウェー

271点

5位

オランダ

265点

 

全体

251点

調査結果の詳細は以下から見ることができる。
https://www.nier.go.jp/04_kenkyu_annai/pdf/01_PIAAC_CY2_point_gaiyo2.pdf