岡山大学が「最重点研究分野」を制定、社会変革の実現を目指す

国立大学法人岡山大学は、「最重点研究分野」として下記の7つの分野を制定した。

(1)農作物・植物科学分野
(2)ヘルスケア分野
(3)IT・エレクトロニクス分野
(4)惑星科学・宇宙物理分野
(5)革新材料分野
(6)考古学分野
(7)(1)~(6)に関係する融合研究、サービス・社会制度設計

(1)~(6)の分野は、研究IRに基づく、データ分析と未来予想分析から選定した。また、イノベーション創出と定着が強く求められている状況から、岡山大学が強みとする「総合知」の根底となるサービス・社会制度を選定した。

今後、7つの分野では、研究力指標の更なる高みを目指すとともに社会実装となるイノベーション創出のKPIを設けて、社会変革の実現を目指す。また、今回の最重点研究分野の制定は、岡山大学が申請中の地域中核・特色ある研究大学強化促進事業とも密に連携している。

岡山大学は2018年10月、同大学の次世代研究を拓く強みとなる「重点研究分野」を教育研究評議会承認のもと選定し、制定した。この制定は従来の「全方位的」「総花的」な研究分野の推進方針からの転換であり、他の国立大学法人ではなかなか見ることのできない覚悟を持った未来への決断であるとしている。

重点研究分野の制定後、経営努力と学内外のステークホルダーの協力・支援等によって、「植物学」「物理学」「医療」「考古学」など、強みのある研究分野を確立した。特に「植物学」における光合成基礎研究は、論文の世界シェアやTop論文数で抜きん出た成果などを輩出。また、「考古学」では岡山大学文明動態学研究所を2021年に新設し、国際事業による国際共同研究を強化・推進する等、世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)と同等水準、分野によってはWPIを越える成果を本学の自主経費によって実現し、日本の研究力向上、特に研究者の育成等を強力に推進することができたという。

重点研究分野は制定から約5年が経過し、学内的には中期計画・目標の期が移行し、学外的にはアカデミアを取り巻く状況の激変が起こっている。今回の最重点研究分野の制定は、従来の「重点研究分野」から次のステップに進み、さらに着実にありたい姿を実現するために実施したものだ。
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国立大学法人岡山大学・プレスリリースより