文科省、「義務教育に関する意識に係る調査」の結果を公表

文部科学省は12月27日、2023年初頭に実施した「義務教育に関する意識に係る調査」の結果を発表した。
同調査は公立小中学校の教師と児童生徒、および国民を対象に実施。それぞれが義務教育についてどのように感じているかを把握し、教育政策の参考とすることを目的に行われた。この種の調査としては、2004・2005年度に行われた「義務教育に関する意識調査」以来となる。
教師向け調査は2023年1月16日から2月17日にかけて、全国の公立小学校60校、中学校58校に勤務する教師計2,978人を対象に、39問から成る調査票を用いて行われた。
「子供たちが義務教育修了時に身に付けておくべき能力や態度として特に重要だと思うもの」について、選択肢から5つ選ぶ形で尋ねたところ、以下のような結果となった。



また、教師自身が学習指導において特に大事にしていることについて、選択肢から3つ選ぶ形で尋ねたところ、以下のような結果となった。


7割以上の教師が、子どもは義務教育を通じて基礎的・基本的な知識・技能を身に付けるべきと考えていること、またそれを習得させることに重点を置いて学習指導を行っていることが明らかとなった。
児童生徒向け調査は、教師向け調査と同じく2023年1月16日から2月17日にかけて、全国の公立小学校60校、中学校58校に在籍する児童生徒計43,308人を対象に行われた。小学校1年生~3年生には簡易的な調査を実施。本格的な調査は小学校4年生~6年生および中学生(計32,720人)を対象に、28問から成る調査票を用いて行われた。
授業に関して思うことについて、「とてもあてはまる」、「少しあてはまる」、「どちらでもない」、「あまりあてはまらない」、「まったくあてはまらない」から選ぶ形で尋ねたところ、以下のような結果となった。


同様に、学校生活に関して思うことについて尋ねたところ、以下のような結果となった。


授業は友達と一緒に学ぶことができて楽しいと8割以上の児童生徒が感じている一方で、約3 割の児童生徒が、授業の内容が難しすぎると感じていることが判明した。また、7割以上の児童生徒が学校に通うことは楽しいと感じている一方で、学校で勉強することが楽しいと感じる児童生徒は約5 割であることが明らかとなった。

国民向け調査は、2023年1月28日から2月18日にかけて、モニター会社が有するWebモニター計9,000サンプルを対象に、14問(義務教育課程の公立学校に子供を通わせている保護者は33問)から成る調査票を用いて行われた。
公立学校の教師に関して思うことについて、「とてもあてはまる」、「少しあてはまる」、「どちらでもない」、「あまりあてはまらない」、「まったくあてはまらない」から選ぶ形で尋ねたところ、以下のような結果となった。


半数以上の回答者が、業務負担の軽減や給与水準の上昇など、教師の待遇の改善について肯定的であることが明らかとなった。
また、義務教育課程の公立学校に子供を通わせている保護者に、自分の子どもが通っている学校に期待することについて、選択肢から3つ選ぶ形で尋ねたところ、以下のような結果となった。


いずれの選択肢も回答割合が4割を下回ったことから、学校に期待する取組みは保護者によって異なり、多岐にわたっていることが伺われた。
調査結果の詳細は以下から見ることができる。

https://www.mext.go.jp/content/20231227-mtx_syoto02-000033379_2.pdf