文科省、令和5年度「戦略的創造研究推進事業」の戦略目標等を決定

3月14日、令和5年度における科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業の戦略目標と、日本医療研究開発機構(AMED)の革新的先端研究開発支援事業の研究開発目標が決定されたと発表された。

JSTの「戦略的創造研究推進事業(新技術シーズ創出)」は、文部科学省が定めた戦略目標の下、組織・分野の枠を超えた時限的な研究体制(ネットワーク型研究所)を構築し、将来のイノベーションの源泉となる基礎研究を戦略的に推進する競争的研究費事業。

また、AMEDの「革新的先端研究開発支援事業」は、同様に文部科学省が定めた研究開発目標の下、革新的な医薬品や医療機器、医療技術等の創出を目的とした基礎研究を推進しており、JST戦略的創造研究推進事業と一体的に運用している。

これらの事業で公募する、チーム型のCREST(JST/AMED)、個人型のさきがけ(JST)/PRIME(AMED)などのプログラムは、30年以上にわたって多くの研究者コミュニティに根付いた基幹的な競争的研究費。これまで「Nature」などの著名な科学誌に投稿される論文を多数創出するなど、多岐に渡る新しい技術シーズの創出に貢献しているほか、人材育成にも寄与している。

これらの事業における令和5年度の戦略目標と研究開発目標の策定にあたっては、論文動向や研究者アンケート等の分析のほか、有識者ヒアリングやワークショップの開催等を通じて、科学的価値や経済・社会的インパクト等、多角的な観点から議論が行われた。

政策的な要請等との関連も踏まえ、

1)海洋と二酸化炭素の関係性の解明など、将来のフロンティア開拓へ貢献するもの
2)新たな半導体になりうる材料の研究など、次世代サイエンスの育成に貢献するもの
3)人々のストレスの影響に焦点をあてた研究など、挑戦的なライフサイエンス基盤の創出に貢献するもの

に関する内容として、下記6件の目標が決定された。

(1)量子フロンティア開拓のための共創型研究
(2)海洋とCO2の関係性解明と機能利用
(3)新たな半導体デバイス構造に向けた低次元マテリアルの活用基盤技術
(4)人間理解とインタラクションの共進化
(5)革新的な細胞操作技術の開発と細胞制御機構の解明
(6)ストレスへの応答と病態形成メカニズムの解明 

令和5年4月以降、JST・AMEDにおいて、CRESTやさきがけ等のプログラムで研究提案の公募を開始される予定。全国の研究者から意欲的な提案が出されることが期待される。

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文部科学省ホームページより