最新学習トレンドはコミュニケーションとアジリティ Udemy発表

オンライン学習・教育を提供するUdemy(アメリカ・カリフォルニア州)は、「2023年職場における学習トレンドレポ―ト」を発表した。

同社では、法人向け学習プラットフォーム「Udemy Business」を提供しており、世界で数千社を超える企業がこれを活用している。

同レポートでは、Udemy Business利用企業の学習行動のデータをもとに、従業員に最も学ばれているスキル、前年と比較して学習時間が急上昇したスキルを分析、世界で最も合計学習時間の多かったスキル上位10位からは、「コミュニケーション」そして「アジリティ(敏捷性)」という2つのトレンドがあるとした。

最も合計学習時間の多かったスキル1位は「コミュニケーションスキル」で、コミュニケーション、またはリーダーシップに関するものは上位10のうち半数に及んだ。在宅勤務をはじめとしたリモート勤務、リモートとオフィス勤務を組み合わせたハイブリット勤務の定着といった新形態の働き方が増えた影響もあり、役割や年齢に関係なく、多くの社会人がコミュニケーションスキルを重要視していることがうかがえるとしている。

学習時間の上位10の残り5つは、プロジェクト管理、運用、ツールに分類されるもので、なかでも短いサイクルを繰り返してソフトウェアを開発する概念「アジャイル」が4位、その手法の一つである「スクラム」が5位となった。

同レポートでは、目まぐるしく変化する世の中で、スピード感と柔軟性を持ってその変化に対応する「アジリティ」が求められる昨今、チームで働く多くの人々が商品開発や利益創出などの目標達成のためにあらゆるツールを用いて対応を試みているようだとしている。

スキルの合計学習時間の増加率を示す急上昇上位のランキングでも同じ傾向が見られたという。

このレポートに関し、Udemy日本事業責任者であるベネッセコーポレーション飯田智紀氏(参考記事)は、「世界情勢が目まぐるしく変化している昨今、組織が発展し続けるためには、従業員の学習サポート体制を強化することが求められています。研修プログラムや学習環境の整備をすることに加え、学習する利点や意義、学習と実務での成果を連動させる工夫も必要です。それには、業務ニーズにあった幅広いオンラインコースの提供に加え、従業員が必要なスキルを効率的に習得できるように実践型の演習を織り交ぜたり、グループでワークショップなどに取り組んだりするコホートベース型の学習も有効です。また、学習者が自身の目標や目的に向かって挑戦するなかで行き詰まったときに、組織内にラーンングカルチャー(学習する文化)があれば、周りの必要なサポートを受けることができ、実際の仕事でも知識やスキルを活かすことができます。Udemy及びベネッセは、誰もが新しいスキルを身につけて目標を達成できるよう、それぞれのニーズに合わせた適切な講座や学習モデルを幅広く提供してまいります」とコメントしている。

23.1.26news3

Udemyにおける急上昇上位10位のビジネススキル(左)と学習時間上位10のビジネススキル(Udemy, Inc.のプレスリリースより)