「子どものメンタルヘルス」に関する報告書まとまる 日本医療政策機構

非営利、独立、超党派の民間の医療政策シンクタンクである日本医療政策機構(HGPI)はこのたび、「子どもを対象としたメンタルヘルス教育プログラムの構築と効果検証」報告書をまとめた。

同機構では、2019年の成育基本法施行や2023年のこども家庭庁設立といった動きをふまえて2020年度から国内外のステークホルダーとの連携による議論喚起や、調査研究によるエビデンス創出に基づく政策提言を行うため、子どもの健康プロジェクトを立ち上げ、活動を進めてきた。

「子どものメンタルヘルス」に関する取り組みは2021年度からスタートしたもので、日本の子どもの自殺率や虐待といった問題に加え、先進国の中で精神的幸福度が最下位であるなど、メンタルヘルス対策が喫緊の課題であることを背景としている。

本プロジェクトでは、子ども自身がメンタルヘルス予防対策を行えることを目指し、複数の専門家の意見を収集したうえで、小中学生向けのメンタルヘルスプログラムが構築された。

これを基に、都内の小中学生約240人を対象に教育介入を行い、介入前後の効果を測定するためのアンケート調査を行うとともに、2回の産官学民マルチステークホルダーによる専門家会合を実施、子どものメンタルヘルスを取り巻く政策課題や具体的な方策について多職種で検討が行われた。

この結果、小中学生のメンタルヘルスケア教育へのニーズや教育介入の効果、および、メンタルヘルスに関する支援ニーズが明らかになり、子どものメンタルヘルス政策において、予防のための学校における教育機会の提供、ライフコースアプローチを実践していくための省庁横断の政策推進の必要性などが示された。 

報告書全文は下記より確認できる。
https://hgpi.org/wp-content/uploads/Report_Building-a-Mental-Health-Program-for-Children-and-Measuring-its-Effectiveness_JPN.pdf

22.7.4news1

HGPI作成の「子どものストレス」をテーマにしたパンフレット