新しい資本主義の最重要政策は「こども・子育て政策」、施政方針演説

第211回通常国会が1月23日、開会した。岸田文雄首相は施政方針演説を行い、最重要政策に「こども・子育て政策」を位置付けた。

「新しい資本主義」では、その一つに「構造的な賃上げ」を挙げ、持続的に賃金が上がる「構造」を作り上げるため、労働市場改革を進めるとした。その中で、リスキリングについては、GX、DX、スタートアップなどの成長分野に関するスキルを重点的に支援するとともに、企業経由が中心となっている在職者向け支援を、個人への直接支援中心に見直すと表明。加えて、年齢や性別を問わず、リスキリングから転職まで一気通貫で支援する枠組みも作り、より長期的な目線での学び直しも支援する方針を示した。 

また、人材の獲得競争が激化する中、従来の年功賃金から、職務に応じてスキルが適正に評価され、賃上げに反映される日本型の職務給へ移行することは、企業の成長のためにも急務とし、今年6月までに、日本企業に合った職務給の導入方法を類型化し、モデルを示すことを明らかとした。 

「新しい資本主義」の最重要政策として位置付けた「こども・子育て政策」では、今年4月に発足する「こども家庭庁」のもとで、今の社会において、必要とされるこども・子育て政策を体系的に取りまとめつつ、6月の骨太方針までに、将来的なこども・子育て予算倍増に向けた大枠を提示すると表明。「こども・子育て政策は、最も有効な未来への投資です。これを着実に実行していくため、まずは、こども・子育て政策として充実する内容を具体化します」と述べた。 

教育関連では、教職員の処遇見直しを通じた質の向上、教育の国際化、グローバル人材の育成に向け、日本人学生の海外派遣の拡大や、有望な留学生の受け入れを進めることを表明。また、高等教育の負担軽減に向けた出世払い型の奨学金制度の導入に取組むことが示された。

23.1.24news1

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