2023年度「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS)、日本は全教科・学年においてトップ6入り

国際教育到達度評価学会(IEA)は12月4日、2023年度「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS)の結果を発表した。

同調査は、世界中の国と地域にて初等中等教育段階における算数・数学と理科の2科目の学習到達度を測定し、国際比較と経年比較を行うもの。初等中等教育段階の第4学年と第8学年に在籍の児童生徒(日本では小学校4年生と中学校2年生)を対象に、1995年から4年ごとに実施されている。

到達度(得点)は、第1回調査の国際平均値を500点とする推定値により表される。問題例は画像を参照。

8回目となる今回は、北半球では昨年3月から6月の間に、南半球では昨年8月から11月の間に実施。小学校4年生は59の国と地域の約36万人、中学校2年生は44の国と地域の約30万人が参加した。

日本では昨年3月に実施。小学校4年生は3,875人、中学校2年生は3,905人が参加した。

その結果、日本はどの教科、どの学年においても6位以内に入った。教科ごとの結果は以下の通り。

【算数・数学】

 

⼩4

中2

国・地域

平均得点

国・地域

平均得点

1位

シンガポール

615点

シンガポール

605点

2位

台湾

607点

台湾

602点

3位

韓国

594点

韓国

596点

⾹港

4位

―― ――

⽇本

595点

5位

⽇本

591点

⾹港

575点

 

【理科】

 

⼩4

中2

国・地域

平均得点

国・地域

平均得点

1位

シンガポール

607点

シンガポール

606点

2位

韓国

583点

台湾

572点

3位

台湾

573点

⽇本

557点

4位

トルコ(5年⽣)

570点

韓国

545点

5位

イングランド

556点

イングランド

531点

フィンランド

6位

⽇本

555点

―― ――

算数・数学については、前回調査から有意な変化はなかった。一方、理科については小中学生とも前回調査から有意に低下。小4では「知識」領域の得点が他の領域に比べて低かった。前回調査でも出題された問題の平均正答率は、両教科とも有意な変化はなかった。

日本の平均得点および順位の推移は以下の通り。

 

算数・数学

理科

⼩4

中2

⼩4

中2

1995年

567点、3位

581点、 3位

553点 、2位

554点 、3位

1999年

実施なし

579点、 5位

実施なし

550点 、4位

2003年

565点 、3位

570点 、5位

543点 、3位

552点 、6位

2007年

568点、4位

570点 、5位

548点 、4位

554点 、3位

2011年

585点 、5位

570点、 5位

559点 、4位

558点 、4位

2015年

593点 、5位

586点 、5位

569点 、3位

571点 、2位

2019年

593点 、5位

594点 、4位

562点 、4位

570点 、3位

2023年

591点 、5位

595点 、4位

555点 、6位

557点 、3位

調査結果の詳細は以下から見ることができる。
https://www.nier.go.jp/timss/2023/gaiyou.pdf