生成AIの初等中等教育でのガイドライン策定に向けた提言 みんなのコード

特定非営利活動法人みんなのコード(東京都港区)は、「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」をビジョンに掲げ、2015年の団体設立以来、小中高でのプログラミング教育等を中心に、情報教育の発展に向け活動してきた。昨今ではChatGPTの利用者がリリース開始から2ヶ月で1億人を突破するなど、生成AIツールに対する注目が高まっている。情報技術の進化に合わせ、文部科学省でもChatGPTなどの生成AIツールをどのように学校教育の現場で取り扱うかについて、ガイドラインを作成することが予告されている。

みんなのコードは2020年から、宮城教育大学附属小学校のコンピュータサイエンス科でのAIの授業実践等をはじめ、各地で様々な実証研究を行ってきた。今回、全国の学校現場とともにAI教育を含む情報教育の実証研究を行ってきた知見から、「生成AIの初等中等教育でのガイドライン策定に向けた提言」をまとめ、発表した。

みんなのコードでは、文部科学省が予告しているガイドライン策定にあたり、AI時代を生きていく子どもたちが、AIがもたらすメリットを学ぶ機会を十分に享受できるようにすることが望ましいと考えているが、昨今の報道等を見ると、考慮すべき重要な観点が不足していると感じているという。

特に、ChatGPTをはじめとした生成AIについては、その脅威や留意点が過剰に強調されていると感じている。また、メリットに注目している場合も「いかに活用するか」という表面的な議論が先行していると言っても過言ではないという。

みんなのコードが3年間、実証研究を行ってきた宮城教育大学附属小学校の中では、6年生を対象にAIに特化した「AIってなんだろう」の授業を行った。これまで、子どもたちは「コンピュータは魔法の箱、AIは人間に代わって指示すればなんでもやってくれるもの」と思っていたが、全てをコンピュータやAIに任せるのではなく、AIが得意なこと、人間にしかできないことを実際にAIに触れながら学ぶことで、情報活用能力が育成されたという。

みんなのコードでは、こうした学校現場での実践を踏まえ、特に生成AIの初等中等教育でのガイドライン策定にあたり考慮すべき3つの観点を、下記のように整理した。

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みんなのコード・プレスリリースより