中教審、学校の働き方改革に関する答申を発表 教職調整額の「給与の10%以上」への引き上げを提言

中央教育審議会は8月27日、答申「『令和の日本型学校教育』を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について――全ての子供たちへのよりよい教育の実現を目指した、 学びの専門職としての『働きやすさ』と『働きがい』の両立に向けて」を発表した。

答申は、学校における働き方改革、教師の処遇改善、学校の指導・運営体制の充実について文部科学大臣が昨年5月に行った諮問を受けたもので、中教審初等中等教育分科会に設置された「質の高い教師の確保特別部会」がまとめた。

昨年8月に発表した提言「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策――教師の専門性の向上と持続可能な教育環境の構築を目指して」や、今年5月に発表した審議のまとめ「『令和の日本型学校教育』を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について」を踏まえ、教職調整額を現行の「給与の4%」から10%以上に引き上げることなどを盛り込んだ。

答申は6章立て。第1章「我が国の学校教育と教師を取り巻く環境の現状」で、課題の複雑化に伴い学校や教師の負担が増大している実態を整理。第2章「教師を取り巻く環境整備の基本的な考え方」で、その改善のためには「学校における働き方改革の更なる加速化」「教師の処遇改善」「学校の指導・運営体制の充実」を一体的に進める必要があることを指摘。

第3章から第5章で、この3つのそれぞれについて具体的な施策を提示。第6章「教師を取り巻く環境整備の着実な実施とフォローアップ等」で、施策実行後に取り組むべき事柄やこの先検討すべき事項を挙げている。

学校の働き方改革については、教育委員会が定量的な目標を設定し、その達成状況を公表すること、指導・運営体制の充実については、教科担任制を小学校高学年だけでなく中学年にも導入すること、教師の処遇改善については、「一般行政職比約7%の優遇」を回復すべく、教職調整額を給与の10%以上とすることなどを提言している。

答申は以下から読むことができる。
https://www.mext.go.jp/content/20240827-mxt_zaimu-000037716_01.pdf

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