読書は知識と思考力を伸ばす ベネッセ、小学生の読書実態調査

ベネッセ教育総合研究所は3月15日、進研ゼミが提供する会員向け電子書籍サービス「電子図書館まなびライブラリー」の小学5〜6年生の読書履歴データと実力テストの結果に加えて、アンケート調査を組み合わせた分析結果を公表した。読書が国語の知識や思考力といった多様な資質・能力の形成に、どのような効果を与えるのかを検証した。

読書履歴と実力テストのデータからは、読書の量(冊数)が国語の知識問題だけでなく、読解問題や挑戦問題などの思考力を問う問題の偏差値にもプラスの効果をもつという結果が得られた。これを通して、読書は知識と思考力の両面で、その向上や維持に効果を持っている可能性が示唆された。

21.3.16news2-1

さらに読書の量(冊数)で分けたグループごとに、本の読み方や効果実感を検討した結果、本に親しんでいる子どもは、単にたくさんの本を読むというだけでなく、「最初から最後まできちんと読む」「気になったところを読み返す」など読み方を工夫したり、「長い文章を読めるようになった」「新しいことを知ることができた」など、自分に役に立つことを理解したりしていることがわかった。

読書に関する経験をたずねた回答からは、読書が学習面にとどまらず、夢中になる体験になったり、心理面での安定につながったりしていることが明らかになった。