京都大学、国際卓越研究大学に認定 3校目

文部科学省は2026年7月31日、世界最高水準の研究力を持つ大学を国が重点的に支援する「国際卓越研究大学」制度において、京都大学を新たに認定したと発表した。認定を受けたのは東北大学、東京科学大学に続いて3校目であり、京都大学はこれから大学ファンドの運用益による大規模な資金支援を受けながら、研究体制の抜本的な改革に取り組んでいくことになる。

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制度の仕組みとこれまでの経緯

国際卓越研究大学は、世界トップクラスの研究大学を国内に育てることを目的に創設された制度である。海外の有力大学が豊富な資金を背景に研究力を高める一方、日本の大学は研究論文の量や質で見劣りするようになっているとされ、その状況を巻き返すねらいがある。根拠となっているのは国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に関する法律で、同法に基づき、国際卓越研究大学の認定等に関する有識者会議、通称アドバイザリーボードの審査を経たうえで文部科学大臣が認定の可否を判断する仕組みになっている。原資となる大学ファンドは10兆円規模で、科学技術振興機構が2022年3月から運用しており、その運用益から認定校に対して最長25年にわたり資金が投じられる。

制度の第1号となったのは東北大学で、2024年11月に認定を受けた。続く第2期の公募は2024年12月24日から2025年5月16日まで実施され、大阪大学、京都大学、早稲田大学、東京大学、九州大学、東京科学大学、筑波大学、名古屋大学の8校から申請があったことを文部科学省が2025年5月20日に公表した。アドバイザリーボードによる審査は同年6月から始まり、2025年12月19日に審査状況が公表された。東京科学大学(Science Tokyo)は2026年4月からの体制強化計画開始が適当と判断され、2026年1月23日に正式な認定を受けた。京都大学は、研究成果を社会に生かす仕組みづくりや新たな研究組織づくりに意欲的な計画だと評価された一方、全学的な計画の明示や新組織「デパートメント制」への移行が発展途上だと指摘され、認定候補として最長1年をかけて体制強化計画案を練り直すこととなった。残る大阪大学、早稲田大学、九州大学、筑波大学、名古屋大学の5校は今回の認定には至らず、東京大学はガバナンス面で確認すべき点が残るとして最長1年間の審査継続が決まった。

正式認定と京都大学の構想

その後、京都大学はアドバイザリーボードとの対話を重ねながら計画の磨き上げを進めた。2026年7月3日、認定及び体制強化計画の認可の水準を満たし得るとの審査結果が公表され、これを受けて京都大学が認定申請書を提出した。文部科学省が総合科学技術・イノベーション会議及び科学技術・学術審議会の意見を聴いたうえで、7月31日付で文部科学大臣が京都大学を国際卓越研究大学に認定した。認定を受けた大学の設置者は国立大学法人京都大学であり、2026年度の助成額はおよそ200億円規模になる見込みだと報じられている。

京都大学の湊長博総長は、今回の判断を受けて全学ビジョンを示した。自由で独創的な研究を通じて社会が抱える多様な課題の解決やイノベーションの創出に貢献すること、世界の学術界を牽引する研究者とグローバルに活躍できる高度人材を育てて送り出すこと、そして国際社会に開かれた総合大学として世界中から人材が集まる知の拠点を京都につくることの三つを柱に掲げる。改革の核となるのは、学術領域を基盤とした新たな研究組織「デパートメント制」の導入であり、これに加えて研究力を土台とした学位プログラム制を新設し、アカデミアだけでなく社会の幅広い分野で活躍できる人材の育成にもつなげていく方針だ。

今後の見通し

京都大学は今後、国際卓越研究大学としての体制強化計画を文部科学大臣に提出する見込みである。その計画は内閣総理大臣及び財務大臣との協議、総合科学技術・イノベーション会議及び科学技術・学術審議会への意見聴取を経て、文部科学大臣が認可の可否を判断する段取りとなっている。世界最高水準の研究大学づくりを掲げるこの制度をめぐり、大学間の競争は今後も続いていきそうだ。