2023年度補正予算成立、1人1台端末の更新に2,661億円を計上

11月29日、2023年度補正予算が成立した。参議院予算委員会と本会議において、自民・公明両党と日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決された。

一般会計で総額13兆1,992億円。そのうち、文部科学省は1兆2,912億円を計上した。

文科省が盛り込んだ事業のうち、最大のものが「GIGAスクール構想の推進――1人1台端末の着実な更新」(2,661億円)。1人1台端末は、2021年初旬にはほとんどの小中学校で導入が完了したため、現在では故障やバッテリー切れを起こすものが出てきている。そこで端末の更新や、故障時用の予備端末の整備を進める。

デジタル関連では、「高等学校DX加速化推進事業」にも100億円を計上した。数学や情報を重視したカリキュラムや、ICTを活用した学びを行う高校1,000校ほどに、1校につき最大1,000万円を給付。これまで大学段階でしか行われてこなかったデジタル人材増強の取組みを、高校段階から行う。

岸田首相は今国会の冒頭に行った所信表明演説で、教育に関する重点政策として、デジタル化と並んで子どもの不登校やいじめ対策を挙げたが、そのための予算も盛り込まれた。

公立小中学校に校内教育支援センターやスクールカウンセラーを置く「不登校児童生徒等の学び継続事業」に37億円、1人1台端末を用いて「心の健康観察」を行い、いじめ・不登校・自殺を未然に防止する「不登校児童生徒等の早期発見・早期支援事業」に14億円を計上した。

規模は小さいながらも、リカレント教育関連の事業も2件盛り込まれた。

「リカレント教育による新時代の産学協働体制構築に向けた調査研究事業」(5億円)では、大学をリカレント教育の拠点とすべく、産業界の人材育成に関するニーズおよび大学側のリソースを調査し、それにもとづき教育プログラムの開発を行う。また「地域ニーズに応える産学官連携を通じたリカレント教育プラットフォーム構築支援事業」(1億円)では、リカレント教育に関する地域のニーズの把握や、それにもとづくマッチングを効果的・効率的に行えるよう、大学・産業界・自治体のプラットフォームの構築を図る。

文科省が盛り込んだ事業とその詳しい内容については、以下から見ることができる。
https://www.mext.go.jp/content/20231129-ope_dev03-2.pdf

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