留学生の国内企業就職率は43%、インターンシップなどが有効

文部科学省が「留学生の就職促進に関する周知及び調査研究(留学生就職促進プログラム)成果報告書」を発表した。同調査は、外国人留学生の就職・採用の状況や課題、就職の活性化の方策を分析することが目的。国内の889の国公私立大学・短期大学と、3000社の企業(大・中小企業)にアンケート調査等を行った。

調査によると、留学生の就職率は2017年度は39.8%、2018年度は43.0%だった。企業の留学生採用は徐々に増加しているが、新卒・第二新卒の留学生を採用している企業は全体の3割に満たなかった。

2017年度、2018年度平均就職率(文系・理系・全体)

2017年度、2018年度平均就職率(文系・理系・全体)

出典:文部科学省「留学生の就職促進に関する周知及び調査研究(留学生就職促進プログラム)成果報告書」

留学生の就職支援プログラムとして大学で最も多く行われているのはキャリア教育であり、キャリア教育がよく行われている大学ほど就職率が高い傾向があった。また、キャリア教育の重要性を認識させる取り組みや、専門教員などによる指導が必要なことがわかった。

インターンシッププログラムは、インターンシップ先を確保しマッチングを行うことで就職率が高まる傾向があり、対応する専門職員を置いている大学の方がインターンシップへの取り組みがよく行われていた。

インターンシップの取り組み状況

インターンシップの取り組み状況

出典:文部科学省「留学生の就職促進に関する周知及び調査研究(留学生就職促進プログラム)成果報告書」

また、就職者数が多い大学ほど、ビジネス日本語プログラムが実施されている傾向があった。このほかに、就職率の促進を図るために地域の他大学との連携を図る、連携を図るためのコーディネーターを配置することが有効であることが明らかになった。