文科省、全国的なクマ被害受け学校や登下校の安全確保を求める

文部科学省は10月30日、全国の様々な地域において、人の生活圏でのクマ被害が発生していることを受けて、学校および登下校の安全確保に関する事務連絡を発出した。

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事務連絡では、環境省の「クマ類の出没対応マニュアル-改定版-」や、自治体における取組事例を参考に、日頃からクマの出没情報に留意し、必要に応じて、通学路の点検や変更、クマの出没時の安全対策や連絡体制など、各地域の実情に応じた対策の検討とともに、危機管理マニュアルへの記載や学校および登下校時、日常生活における注意喚起を求めている。

自治体の取組事例では、岩手県花巻市教育委員会や秋田県男鹿市教育委員会の対応マニュアルを紹介。こうしたマニュアルでは、猟友会より提供されたクマの習性として「出没は夕方から朝方にかけて多くなる」「子熊を見ても絶対に近づかない」「行動範囲が広いが、出没場所は同じ場所が多い」なども紹介されている。

政府は7月30日、「クマ被害対策等に関する関係閣僚会議」を開催。追加的・緊急的なクマ対策の強化として、緊急銃猟を実施できる者を拡大するための措置を講じるとともに、警察官や狩猟免許を有する公務員が、市町村による緊急銃猟に協力し、人里に侵入してきたクマを迅速かつ的確に駆除することができるよう、関係省庁において速やかに対応していく方針を示した。

また、こうした追加的・緊急的な対策を含む『クマ被害対策施策パッケージ』を11月中旬までに取りまとめ、必要な予算措置を検討するとしている。事務連絡の詳細や自治体の対応マニュアルは以下から読むことができる。
https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/1417343_00048.htm