松本洋平新文科相が就任会見 喫緊の課題は「高校無償化、高校改革の推進」

高市早苗内閣で初入閣となった松本洋平文部科学大臣は10月22日、文部科学省で就任会見を行った。

松本文科相は、文部科学行政における喫緊の課題について、自民・公明・日本維新の会の三党協議が進む高校授業料の無償化に触れ、「高等学校等就学支援金制度の拡充、また、高校改革を推進するための取り組みが一つの大きな柱になる」と述べた。


「YouTube」文部科学省動画チャンネルより

小学校の給食費無償化は、自民・維新の連立政権合意書にある「26年4月から実施するため、残る課題について整理し、制度設計を確定させる。」との記載に基づき、「必要な準備を進めていきたい」と述べた。一方、中学校の給食費無償化は、まだ道筋が示されていないことから「三党協議の枠組の中での議論を参考にしながら考えていきたい」と述べるにとどめた。

松本文科相は自身の保育園時代のエピソードを交えながら、「教育は学力という面でも大切な役割を担っているが、社会生活を学んだり、人間形成における重要な経験をしたりするのが学校現場であり、それ指導しているのが先生」だと強調。教師不足や多忙化が課題となる中、「教師という仕事の尊さを実感し、働きやすさや働きがいを感じられるよう、先生方の環境整備を進めたい」と述べた。

科学技術分野では、ノーベル賞を受賞した坂口志文氏(大阪大学/特別栄誉教授)、北川進氏(京都大学/理事・副学長、特別教授)からの「基礎研究の充実」や「若手研究者への支援」に関する発言に触れ、これらを「抜本的に強化する政策を進めていきたい」との考えを示した。

宇宙、AI、量子、マテリアルなど先端技術分野についても、来年度から始まる「第7期科学技術・イノベーション基本計画」の策定に向けた議論が進む中、「関係府省とも連携をしつつ、同計画をまとめて、これら大切な分野をしっかり後押しできるように全力を尽くしていきたい」と述べた。