生成AI活用で「自分の思考の深みが不足」 民間調査
フリーランスプロ人材マッチングのITプロパートナーズを運営する株式会社Hajimariは、20~60代のビジネスパーソン861名を対象に、「生成AI活用に関する実態調査」を実施した。同調査では、AIを活用する人の半数以上が利用を「隠した経験」を持ち、さらに約8割がAI原因でトラブルや失敗を経験している実態が明らかになった。一方で、AIを使っていない層の大半は「今後も学ぶ意欲がない」と回答しており、AI格差が今後開いていく可能性も見てとれたとしている。
今回、Hajimariは業種・職種を問わず、20~60代のビジネスパーソン861人にAI活用の実態を調査した。その結果、AIを利用している人は約45%(387人)、利用していない人は約55%(474人)となり、業種・職種を問わず、AIの普及はまだ半数に満たないことが分かった。AIを利用している人は、世代が若くなるほど多くなり、20代が最もAIを利用していた。
AIを活用している人(387名)に対し、AIによるトラブルが起こった経験について具体的な事例を挙げて尋ねた結果、1つ以上に回答した人は304人にのぼり、AI利用者387人の約8割が「何らかの形でAI使用に起因するミスや叱責を経験している」ことが明らかになった。
株式会社Hajimari・プレスリリースより
具体的な失敗の内容を尋ねたところ、最も多かったのは「AIに頼りすぎて、自分の思考や提案の深みが不足していると注意された(37.4%)」。次いで「出典を明示せず流用して注意された(15.4%)」が続いた。さらに「AIが生成した文章が不自然/失礼な表現をふくみ、そのまま送信してクレームや叱責につながった(12.7%)」も多く見られた。
「思考の浅さ」や「不自然な表現」で注意を受ける軽微なミスだけでなく、「出典不明」や「品質不足」で業務に支障が出るレベル、さらには「機密漏洩」や「誤情報拡散」といった組織の信頼に関わる重大な問題まで幅広く発生しており、生成AI特有の新しいミスやリスクが職場に生まれている可能性が見て取れる結果となった。