非帰国生が海外で通用する英語力をどの様に身につけるか?

政府が2033年までに50万人の海外留学派遣を目標として掲げる中、国際競争力を育む上で、世界トップ大学への進学を後押しする仕組みの構築は喫緊の課題だ。本連載では、多様な視点から海外進学の魅力や受験のコツ、今後の教育の在り方を考えていきたい。

本連載は、海外大学進学を支援したい教育者や学校経営者のために、ロードマップを示すことを目的としている。前回では、日本に必要な教育モデルとして、以下の提案を行った。
・ターゲットとする生徒:非帰国生
・ターゲットとする大学:英語圏+非英語圏にある世界ランキングトップ500の大学
・ターゲットとする英語力:IELTS 6.5、TOEFL 94

本稿では英語に焦点を当て、世界標準の英語力を身につける方法について説明する。

非帰国生の英語教育が
失敗する理由

田原 佑介

田原 佑介

株式会社LOOPAL代表取締役
公立高校で8年間、英語教諭として勤務。学校で5000人以上の高校生と関わるほか、NPOとして6年間活動。コロンビア大学教育大学院(Teachers College)で、スクールリーダーシップの修士号を取得。日本の若者が、国際的に通用するスキルを身につけ、理想のキャリアを実現するサポートをするために、LOOPALを起業。

私は、全ての若者が国際的に通用する英語力を身につけてほしいと思っている。インターナショナルスクールやIB校に通う生徒に限らず、一般的な公立・私立高校の生徒も例外ではない。この考えの背景には、私の教員時代の経験が影響している。

私が勤めた公立高校は「グローバルリーダーの育成」を目標に掲げるSGH指定校だった。グローバルコースが設置され、ネイティブの講師を配置し、洋書を使った授業を展開していた。留学も盛んに行われていた。

しかし、このコースの生徒が進学するのは国内大学のみ、国内でのみ通用する英語検定試験だけが実施されていた。生徒にはグローバルリーダーになるよう言いながら、出口は国内のみという状況に、疑問を抱いた。

この状況を変えようと、私はTOEFLの独学を始め、…

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