国際人育成のカギは非帰国生の海外大学への進学

政府が2033年までに50万人の海外留学派遣を目標として掲げる中、国際競争力を育む上で、世界トップ大学への進学を後押しする仕組みの構築は喫緊の課題だ。本連載では、多様な視点から海外進学の魅力や受験のコツ、今後の教育の在り方を考えていきたい。

国際競争力で問われる
海外留学者の割合

田原 佑介

田原 佑介

株式会社LOOPAL代表取締役
公立高校で8年間、英語教諭として勤務。学校で5000人以上の高校生と関わるほか、NPOとして6年間活動。コロンビア大学教育大学院(Teachers College)で、スクールリーダーシップの修士号を取得。日本の若者が、国際的に通用するスキルを身につけ、理想のキャリアを実現するサポートをするために、LOOPALを起業。

私は、あらゆる人が人生を切り拓く力を身につけられる社会を創りたい。そうすることで、大学に進学する高校3年生の少なくとも1%、6500人が海外大学に進学する環境をつくることができる。そのために、非帰国生が世界トップ大学に進学する仕組みを構築する必要がある。

このように考えた背景を述べたい。国際経営開発研究所 (IMD) によると、日本の国際競争力は過去30年で1位から34位にまで落ち込んだ。この競争力の低下にはさまざまな要因が影響しているが、重要な指標の一つが「教育」である。そのうちの一つである、留学者の割合に注目する。

国際競争力が高い国では、海外への留学者の割合、その国への留学者の割合のいずれか、あるいは両方が高い。このようにして、国際的に通用する人材を育てようとしている。一方日本は、…

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